ジョグの最適なペースは? 「会話できる速さ」を数字に置き換える
GUIDE|ジョグのペース
ジョグは、遅すぎて不安なくらいでいい。
走る時間が少ないと、1回1回を速く走りたくなる。だが、練習の大半を占めるジョグは「楽に話せる速さ」で走るのが基本である。では、それは1kmあたり何分なのか。目標タイム、心拍数、体の感覚の3つの方法で、自分のジョグのペースを決める。
結論
ちょうどいいジョグ
文章で会話ができる。鼻呼吸でも続けられそう。走り終えて「もう少し走れた」と思える。
速すぎるジョグ
話すと息が切れる。終盤に時計を見てペースを保とうとしている。翌日も脚が重い。
なぜゆっくり走るのか
長距離の選手は、トレーニングの約8割を楽な強度で行い、きつい練習は残りの2割程度にとどめていることが多い。これはスポーツ科学の研究でよく知られた傾向で、市民ランナーの練習計画でも基本の考え方になっている。
ゆっくり走る狙いは三つある。一つ目は、心肺や毛細血管、脂肪を使う力といった、長く走るための土台を作ること。二つ目は、脚への負担を抑えて、次の練習に疲れを持ち越さないこと。三つ目は、走る時間そのものを増やすことである。
ジョグを速くしすぎると、この三つがすべて崩れる。疲れが残るのでポイント練習の質が落ち、故障もしやすくなる。きつくもなく楽でもない中途半端な強度ばかりになるのが、時間の限られた市民ランナーによくある失敗である。
目標タイムから決める
いちばん簡単なのは、フルマラソンの目標ペースに1kmあたり1分〜1分30秒を足す方法である。目標が決まっている人は、まずここから始めるとよい。
| フルの目標 | レースペース | ジョグの目安 |
|---|---|---|
| 3時間 | 4:16/km | 5:16〜5:46/km |
| 3時間30分 | 4:59/km | 5:59〜6:29/km |
| 4時間 | 5:41/km | 6:41〜7:11/km |
| 4時間30分 | 6:24/km | 7:24〜7:54/km |
| 5時間 | 7:07/km | 8:07〜8:37/km |
表の範囲より遅くなる日があってもかまわない。疲れている日、暑い日、坂の多いコースでは、さらに遅くするのが正解である。ジョグのペースには「これより遅いと意味がない」という下限はほとんどない。
目標タイムがない人は、今の5kmのベストに1kmあたり1分30秒〜2分を足すと、近い範囲になる。いずれも目安なので、次の心拍数と感覚で確かめたい。
心拍数で決める
心拍計のある時計を持っているなら、ジョグは最大心拍数の60〜75%程度に収めるのが一つの目安になる。最大心拍数は「220−年齢」でおおまかに見積もれる。ただしこの式は個人差が大きく、10拍以上ずれることも珍しくない。
| 年齢 | 推定最大心拍数 | ジョグの目安(60〜75%) |
|---|---|---|
| 30歳 | 190拍/分 | 114〜143拍/分 |
| 40歳 | 180拍/分 | 108〜135拍/分 |
| 50歳 | 170拍/分 | 102〜128拍/分 |
心拍数で走るよさは、暑さや坂、疲れが自動で反映されることにある。夏に同じペースで走ると心拍数は上がるので、心拍数を基準にすれば自然にペースが落ちる。走り始めの数分は心拍数が遅れて上がるので、10分ほど走ってからの値で判断するとよい。
持病がある人や、薬で心拍数が変わる人は、この表をそのまま使わず、医師に相談してほしい。
感覚で決める
時計がなくても使えるのが「会話テスト」である。一緒に走る人と、短い文章を区切らずに話せるならジョグの強度に収まっている。単語でしか返せなくなったら速すぎる。
一人で走るなら、きつさを10段階で考えて「3〜4」に収める。走り終えたときに、同じ距離をもう一度走れそうだと感じるくらいである。
ジョグが速くなる原因
時計のペース表示を追う。「前回より遅い」と見ると、つい上げてしまう。ジョグの日は、ペースではなく心拍数か経過時間を画面に出しておくとよい。
距離で練習を決める。「10km走る」と決めると、早く終わらせたくて速くなる。「50分走る」と時間で決めると、ペースを上げる理由がなくなる。
人と走る。グループやアプリのランキングにつられて上げてしまう。ジョグの日は、自分より遅い人に合わせるくらいでちょうどいい。
速く走れる靴でジョグをする。反発の強い靴や軽いレース用の靴は、楽に走っているつもりでもペースが上がりやすい。ジョグにはジョグ向きの靴を使うほうが、強度を保ちやすい。
週2〜3回しか走れない人は
週に2〜3回しか走れないと、全部をきつい練習にしたくなる。それでも、基本はジョグ中心でいい。たとえば週3回なら、2回はジョグ、1回だけ少し速く走る日にする。速く走る日を週1回に絞ることで、その1回の質が上がる。
疲れが残っている日は、予定していた速い練習をジョグに変えてかまわない。走る時間が少ない人ほど、故障で数週間走れなくなる損失が大きいからである。
ジョグ向きの靴
ジョグの靴で大事なのは、クッションと安定性である。当サイトのデイリー区分は、この2項目の重みが最も大きい。点数の高い靴から、価格の違うものを選んだ。
| 靴 | 価格 | 実測重量 | 性能点 | コスパ点 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|---|
| NOVABLAST 5 | ¥15,400 | 254g | 4.08 | 5 | ジョグも少し速い日も1足で済ませたい |
| GLIDERIDE MAX | ¥17,600 | 281g | 4.00 | 4.5 | 安定性とグリップを重視する |
| GHOST 16 | ¥17,600 | 266g | 3.99 | 4.5 | 長く履いて、靴代を抑えたい |
| Fresh Foam X More v5 | ¥19,800 | 308g | 4.25 | 4.5 | ゆっくり長く、クッション重視で走る |
ゆっくり走ることが前提なら、重さはそれほど気にしなくていい。モア v5は308gと重いが、クッションと安定性はともに4.5で、ゆっくりのジョグには向く。逆に、ジョグと週1回の速い練習を1足で済ませたいなら、反発もそこそこあるノヴァブラスト 5が候補になる。
まとめ
ジョグのペースは、フルの目標ペースに1kmあたり1分〜1分30秒を足したあたりから始める。そのうえで、会話ができるか、心拍数が上がりすぎていないかで確かめる。遅すぎると感じるくらいが、ちょうどいいことが多い。
※ペースと心拍数の数値は一般的な目安で、体力や体調、気温によって変わります。靴の数値は海外ラボ(RunRepeat)の計測データとメーカー公表値、当サイトの計算をもとにしています。価格は当サイトの掲載値で、変更されている場合があります。